これは法律問題というより、ビジネス的な交渉技術の問題です。

法的にはいつでも請求が可能です。もっとも、ご自身が短期的なスピード解決を求めるか、時間をかけて徐々に解決しようとするかで行動の仕方は変わってきます。

あなたが短期的なスピード解決を求めるなら、最も効果的な方法は、転職先を確保してから法的な請求をすることです。職場の人間関係を気にすることなく、純粋に法的な証拠を揃えて請求するだけです。弁護士を通じて内容証明郵便で法的な主張を伝えた上で交渉することで解決する場合もありますし、労働審判で短期間に決着することも可能です。

時間をかけて徐々に解決しようとするなら、

  1. 現在の扱いが法的に不適切で、紛争になれば勝ち目がないことを使用者に悟らせるよう働きかけたうえで、
  2. 自分が労働者として職場に欠かせない存在であることを理解してもらうことです。

具体的には、使用者と残業代の支払について話し合いをした上で、弁護士に相談していることがそれとなく伝わるように書類を示すなどしながら、他方で仕事を一生懸命頑張って、役に立つ人材であることをアピールすることです。他の社員と連携して、あなたが少数派でないことを明らかにすることも有効です。

使用者は事業経営者ですから、基本的には損得勘定で物事を判断します。法的に残業代を支払わなければならないことを覚悟し、職場に必要な人材を確保するためであれば、一定の支出を受け入れることはあります。

いったん問題が解決したら、今後気持ち良く働くために、特別に頑張って見せたり、使用者との関係改善を図る努力をすることも有効です。

実際にこのような方法で、年収の半分くらいの残業代(時効期間である過去2年分を超えた額)が任意に支払われた事例もあります。